施行例2

狭さを生かした和風庭園

 

新宿区のお庭です。建物のたたずまいは完全な洋風で、外壁は全てレンガ調のタイル張りというおおよそ和風のお庭とはかけ離れた作りとなっていました。しかし、施主様のご希望でお庭は和風に、との事でしたので、ご希望に添えるよう施行いたしました。まずテラスの部分ですが、元々はタイル張りであったものの上に泥丹波という石を張りました。いちいちタイルを壊さなくてもしっかり着きます。石は主に筑波と木曽で、色味にアクセントを付けつつも、石自体が主張しすぎぬよう、留意しました。つくばいも、らしくなり過ぎないよう、あくまで自然風な物を据えました。灯籠もこじんまりとした物ですが、夜にはセンサーで明かりが灯り、庭を照らす庭園灯の役割を果たしています。新宿にほど近い場所柄、お庭のスペースも極々限られた物になっているのですが、逆にそれほど大きくはない石が、しっかりとその役割を果たし、庭全体に引き締まった印象を与えています。そして門から玄関へと至るスペースですが、極々洋風のため、庭との境にいくらか背の高いみす垣を設けて、空間の分離を図っています。これもあまり主張せぬよう黒竹を使いました。元々あった玄関近くの目隠しには、蔓薔薇をからげてみました。

 全体的には狭小住宅ならぬ狭小庭園なのですが、「小粒だがピリリと辛い」の例えのようなコンパクトでメリハリの効いたお庭に仕上がったと思っております。

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