ユズ ハナユズ イッサイユズ

 

ここでは、ユズと言ってもホンユズではなく、ハナユズ(イッサイユズ)を中心にお話をさせて頂こうと思います。

 ホンユズとハナユズでは、種類自体が若干違いますが、味、香りもよく似ているため、近年ではこの木をユズと呼ぶ事が多いようです。しかしながら、育成法においては、共通する部分も多いので、参考にしてみて下さい。

 ハナユズは、小さな若木の頃からたくさん実をつけた鉢植えが売られているのを目にしますが、私は、植木屋なので、地植えを前提としたアドバイスをさせて頂こうと思います。まず、お庭に植える事を考えて購入される場合には、画像のような鉢植えではなくしっかりとワラやコモのような物で根巻きをしてあるものが良いとおもいます。幹を持って持ち上げた時に根鉢がグラグラする物、崩れそうな物は論外です。鉢植えで売られている物はどうしてもその辺りのチェックが難しいので、お薦めしていないのですが、それでも鉢にしっかり根付いていて、鉢から容易に取り出せない位の物ならばまず安心でしょう。そしてあまり実をつけていない物を選ぶ事が、結果として早く安定した結実の原因となっているように感じます。その理由としましては、実をたくさん付けた若木は根を抑えて肥培(肥料で培養する)した物である可能性が高く、これを通常の土に植え付けると数年は実を付けなかったり、実付きが悪かったりします。これは他の花ものにも言える事です。以上の条件にあった木が見つかったら植え付けです。

 まず植え付けの時期ですが、真夏、真冬を除けばいつでも大丈夫です。中国を原産地とするユズは比較的寒さには強いです。(−5度までは何とか耐える)しかし、柑橘類全般に言えることですが、北からの冷たい風を受ける事に非常に弱くその意味では植える場所には気を使う必要があります。北面に大きな常緑や建物がある場所が望ましいです。植え方ですが、若干浅植え気味にした方が根張りが良くなります。また肥料を掘った穴にいれる場合は肥料が直接根に触れないように土と混ぜてやって下さい。根が焼けてしまいます。あとはたっぷり水をやり、根と土を密着させます。

 剪定の時期は2月から3月の下旬ごろに少々混んでいる部分を間引くように行います。それ以降の時期に行うと、花や実付きに影響がでます。早ければ8月の下旬頃から実をつけ始めます。その頃に青い果実を獲りがてら実をもいでやると、残った実がよく生育します。

 ある程度お庭に慣れた木であれば、春と秋に肥料をあたえるのも良いと思います。

 考えられる虫や病気にはアブラムシ、カイガラムシ、アゲハチョウの幼虫などがいますが、虫が動き出す4月の頭頃からマラソン、スミチオン等の各乳剤が効果があります。しかし乳剤は残存性が薄いので、こまめな噴霧と虫の様子の観察が必要になります。

 以上いくつかのコツをお話させて頂きましたが、ユズは比較的育て易く庭木にはとてもあっている木だとおもいます。是非チャレンジしてみて下さい。



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